暗号資産のガス代とは?仕組みをやさしく解説

日本では人口の約5%、つまり600万人以上が何らかの暗号資産(仮想通貨)に投資をしているとされています。世界から見れば物足りない数字ですが、円安や株価の下落が継続する中で、この先多くの人が暗号資産に関心を持ち、実際に保持し始めるでしょう。
また、最近ではアメリカのトランプ大統領の公式ミームコイン「TRUMP」が、世界中で話題に。日本でも、XやYahoo!ニュース上でトレンドのトップに。これにより、仮想通貨 おすすめ 草コインといったキーワードで情報を探す初心者は急増。プレセールで5,200万ドルを超える資金調達に成功したSolaxyや、ビットコインが抱えるスケーラビリティ問題の解決に挑むBitcoin Hyperなど、将来性のある新興トークンに注目が集まっています。
一方で、いざ暗号資産を購入する際に、初心者はガス代という存在に驚くかもしれません。そして、時間や日付によって変わるガス代に対して「ガス代はどのような仕組みで決まるのか」「ガス代とはそもそも何なのか」と疑問に感じるはずです。
そこで本記事では、暗号資産に発生するガス代について、やさしく解説していきます。
ガス代とは何か?
暗号資産を、たとえばMetaMaskのようなウォレットで購入しようとすると、購入画面の最終確認ページに「ガス代:0.003 ETH」のように表示されます。
このガス代とは、簡単に言えば「手数料」と表現できるでしょう。つまり、ブロックチェーン上で送金したり、NFTを購入したりする際に支払う、ネットワーク利用料のようなものです。
具体的に言えば、仮にイーサリアムを誰かに送金するとします。そのとき、送金の内容がブロックチェーンに記録されるよう、ネットワーク上のコンピュータがその取引を承認します。
しかし、この処理には計算リソースとしてたくさんのマイナーやバリデーターといった人々が必要。 ブロックチェーンは分散型ネットワークであり、誰か1人が処理しているわけではないのです。したがって、彼らへの報酬として支払うのがガス代となります。
ガス代の金額はどのように決まるのか?
暗号資産にガス代が発生することを理解しても、日によって、あるいは時間帯によって価格が変動することに新たな疑問を持つ初心者は少なくないでしょう。では、ガス代はなぜ変動するのか。その理由は主に3つあります。
まず1つ目は、ネットワークの混雑具合です。たとえば、世界中の多くの人が同時にイーサリアムを使って取引しようとすると、ネットワークの処理能力が追いつかなくなり、取引の順番待ちが発生します。この時、「自分の取引を早く処理してほしい」と思う人たちが、より高いガス代を支払うことで、彼らの処理は優先されます。その結果として、全体のガス代は上がってしまうのです。
次に、取引内容の複雑さも関係しています。たとえば、単に暗号資産を送金するだけのシンプルな操作であれば、ネットワークが処理しなければならない計算量は少なくて済みます。しかし、NFTを新たに発行するといった複雑な取引の場合は、より多くの計算が必要となり、ガス代はその分高くなります。
そして最後は、ガス代は「ガスの量」と「ガス価格」を掛け算して決まるという仕組みです。ここでいう「ガスの量」とは、取引を完了させるために必要な作業のボリュームを指し、「ガス価格」はその1作業あたりにかかる費用を指します。
自動車のガソリン代にたとえると、遠くまで車を走らせるにはたくさんのガソリンが必要になり、ガソリンの価格が高ければ、そのぶん支払う金額も大きくなりますよね。これと同じように、暗号資産も取引に必要な「ガスの量」が多く、かつ「ガス価格」が高いタイミングだと、それだけガス代が高くなるのです。
ガス代が高いときの対処法
イーサリアムなど、一般投資家にも機関投資家にも人気のブロックチェーンでは、たびたびネットワークが混雑し、ガス代が高騰します。すると、「ガス代が高すぎて取引できない」という問題に直面する人も出てくるでしょう。
一方で、いくつかの工夫をすることで、手数料を抑えることが可能です。以下に、具体的な対処法を紹介します。
混雑を避けた時間帯に取引
ガス代はリアルタイムで変動します。そして、世界中のユーザーが活発に取引している時間帯は混雑しやすく、手数料が高くなります。
ことことから、深夜から早朝といった投資家が参入していない時間帯を狙うことで、ガス代を抑えられる可能性が高まります。
レイヤー2ソリューションを活用
イーサリアムやソラナのブロックチェーンとつながっている別のネットワーク、つまりレイヤー2ネットワークを使用することで、ガス代を安く抑えることが可能です。
最近では、ソラナ初のレイヤー2ネットワーク「Solaxy」がテストネットを開始し、多額の資金調達にも成功しました。このような最新の仕組みは、今後さらに投資家の利用が拡大した場合でも、ブロックチェーンが抱えるスケーラビリティ問題を解決し、ガス代の高騰を抑える効果が期待されています。
ガス代を手動調整
多くの暗号資産ウォレットでは、ガス代は自身でカスタマイズできます。たとえば、特に急ぐ必要のない取引の場合は、ガス代を高くして取引を優先させる必要はないですよね。
したがって、ガス代をあえて下げて手続きを行うことで、費用を節約できます。
まとめ
暗号資産の取引を始めたばかりのときに、「ガス代」という言葉を目にすると、なんだか専門的で難しそうに感じてしまい、Web3.0の世界に一歩踏み出すのが急に億劫になるかもしれません。
しかし、本記事で解説してきたように、実際にはガス代とは手数料のようなもの。そして、その仕組みを知れば「なぜ必要なのか」「どうすれば節約できるのか」が簡単に見えてきます。
また、今後もレイヤー2ネットワークの進化や新しい技術の登場によって、より使いやすく、コストのかからない取引ができるようになっていくでしょう。したがって、初心者でも少しずつ理解を深めながら、安心して暗号資産の世界を楽しんでみてはいかがでしょうか。